昨日のブログで「入塾」とタイトルに書いておきながら、その話題に全く触れていなかった…。
実は新中2生で入塾が決まった生徒さんがいた。
当初の予定では、他塾との兼ね合いもあり、4月からの入塾となるはずであったが、そちらの塾を強引に辞めて急遽こちらに来てくれるらしい。
(まあ、あちらの授業料は返金されないようではありますが…)
…で、タイトルの話になるのであるが、
この生徒さんを含めた新中2生の授業がやっていて「面白い」のである。
授業をする側から見て「面白い」と感じる授業の定義は、それぞれの講師によってさまざまであろう。
具体的に何がどのように「面白い」のかと言えば、生徒がこちらの発問に対して「喰らい付いてくる」感じがあり、また、生徒同士の間でも、他の生徒の発言に対して適切に反応することが出来ている状態なのである。
例えば、昨日も私の発問に対してわからないことがあったり、間違えてしまうことがあったのだが、
その際に、その生徒は
「あ~!ちょっと待って下さい!」
と、必死に思い出そうとしていたのである。
(ちなみに、私は常にその生徒に合わせて質問のレベルや聞き方を調整しながら発問している。生徒それぞれに合った発問とそれに対する反応のコラボレーションが授業の質を決める。授業においては生徒も重要な「役割」を担っているのだ。これに関してはまた別の記事で書く予定だ。この記事☟で予告してました。)
そして、それを見ていたもう一方の生徒は、自分に対して質問を振られたときにいつでも正解が言えるように待ち構えていた。
このような雰囲気の授業はやっていて「面白い」し、こういう生徒は間違いなく伸びる。
このような生徒が伸びるのは当たり前である。
というのも、人間の記憶というものは「繰り返し」によって定着するし、「感情」などに紐づけされた方がより定着度が増す傾向があるからである。
自ら必死になって思い出そうとするだけでなく、何度も間違える過程で、私とのやり取りや他の生徒からの視線やリアクションを通じて様々な「感情」が刺激され、その「知識」と結びつくことによって記憶が強固なものとなるのである。
そして、他の生徒が指されているときにも「考えて」授業に「参加」することによって、更に記憶が定着していくのである。
(他の生徒が刺されている時のリアクションに関してはこの記事☟をご参照ください)
当然、授業をやっている側としては、伸びることが確信できる生徒が実際に成長していく過程をリアルタイムで目撃できるわけで、「面白い」に決まっている。
「教える」立場の人間にとっては、間違いなく醍醐味の一つであろう。
実は、今年の卒塾生で受験間際に同じような反応をしていた生徒がいた。
その生徒は、夏期講習から入塾したのだが、最初はお世辞にもあまりやる気があるとは言えず、授業中のリアクションも芳しいものではなかった。
しかし、勉強を重ね、成績が上がるにつれて授業中の反応も相乗効果で良くなり、こちらの発問に対しても、
「あ~!ちょっと待って下さい!」
「あ~!もうちょっとで思い出せそうなんですよ!」
という反応をするようになった。
この生徒は英語が苦手で(というか入塾当初は「考える」ことを放棄する傾向があり、自分が苦手な単元や科目に対しては完全に思考停止を起こしていた)、他の科目は伸びたのだが、英語は最後の最後まであまり結果が出せずにいた。(まあ、偏差値にして10以上は上がってましたが…)
ちなみに、英語だけでなく、数学でも一次関数が大の苦手(というか嫌い)で、関数の問題を見ると最初から問題を飛ばしたり、全く考えようとしていなかったので、私によく怒られていた。
しかし、最後の1か月間、こちらの英語長文の解説を真剣に聞き、授業に「参加」することで、入試本番では5教科全てで満足のいく点数を取ってくれた。
その生徒の入試本番の得点開示の結果は以下の通りである。
国語 74点
数学 80点
英語 74点
社会 86点
理科 64点
合計 378点
因みに、この生徒の4月の第1回北辰テストは、
国語 38点(偏差値42)
数学 42点(偏差値49)
英語 23点(偏差値44)
社会 46点
理科 57点
3科偏差値45
5科偏差値49
であった。
(ちなみに、1学期の中間テストは、数学44点、英語49点であった)
授業の「聞き方」によって、ここまで劇的に成績は上がるものなのである。
私が「聞く力」にこだわっている理由がおわかり頂けると思う。
そして、それは鍛えることが出来るということも。
また、最初に入塾してくれた生徒 ☟ の入試本番の得点開示の結果は以下の通りである。
国語 58点
数学 85点
英語 88点
社会 85点
理科 51点
合計 367点
因みに、この生徒の7月の第3回北辰テスト(第1回2回は未受験)は、
(この段階では既に入塾済みです。第4回の北辰テスト結果の記事で述べた通り、元々の偏差値はもう少し低かったと思われます)
国語 42点(偏差値44)
数学 43点(偏差値48)
英語 26点(偏差値44)
理科 16点(偏差値38)
3科偏差値45
5科偏差値47
でした。
この生徒は入塾当初から一生懸命勉強してくれました。
凄まじい伸びを見せてくれたと思います。
(ちなみに、入塾が遅く(11月)、最後の最後まで伸び悩んでいた生徒も、
数学 74点、英語 72点 と、これまた納得のいく点数を取ってくれました。)
そんなことを考えながら、新中2生の授業をしていたのであった。
ちなみに、生徒が指された質問に対して分からなかった時の反応はさまざまであるが、大体以下のパターンに分けられる。
(勿論、単なる知識(言葉の定義や公式)を尋ねられているのか?、もしくは、思考を要することを尋ねられているのか?にもよるが、前述の通り、私は生徒によって発問のレベルも形式も変化させるので、勉強が苦手な生徒に対しては既に教えてある「単なる知識」を確認するための発問であることがほとんどだ。今回のケースもこれに当たる。)
① 指された時に、たとえその答えに自信がなくても、まずは自分の答えをはっきり口に出すタイプ。
一度間違えたとしても思い出すまで粘って何度でも答えようとする傾向があり、人前で間違えることを嫌がらない。
他人が答えられていな質問に答えることに快感を覚えるタイプでもある。
(因みに、何も考えずに当てずっぽうで答えを言う生徒もいますが、それはダメです。)
② 指された時に、考えてはいるが、答えに自信がないと黙ってしまうタイプ。
答えに自信があるときは、キチンと答えてくれるが、人前で間違えることを極端に嫌がる傾向がある。
このタイプの生徒は、「早く別の人を指してくれないかなあ」と内心考えながら、嵐が過ぎるのを待ってしまっている。
しかし、考えてはいるので、他人が答えられていな質問に答えることが出来ると嬉しそうな顔をするタイプでもある。
③ そもそも人の話が聞けていないが、指された時は一応トンチンカンな「答え」を言って少し粘ろうとするタイプ。
このタイプの生徒は、「答えよう」という意志は有しているので、時間をかければ人の話を「聞く」ことが出来るようになる可能性があるタイプでもある。
④ そもそも人の話が聞けておらず、人前で間違えるのも嫌なので、ゴニョゴニョと「答えらしきもの」を発話した後に黙るか、「わかりません」と一言で済ませようとするタイプ。
ここら辺から、成績を上げるのはかなり厳しくなってくる。
⑤ 最初から人の話を聞く気がない生徒。
このタイプの生徒は、今までの人生で「人の話を聞かなくてよい環境」を与えられてすごしてきたタイプであろう。
個人塾の力のみでどうこうできるレベルをはるかに超えている。
当塾では、一応④の生徒までは何とか成績を上げようと試みてはいます。
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