今日(といっても昨日ですが)数学の時間に、先日の日曜日にやった北辰テストの関数の問題を、その時に休んでいたうちのエースさんに解説した。
その時、隣に座っていた某学年1位の生徒が、「うん。うん。」と頷きながら一緒に聞いていたのですが、その様子を見てエースさんが思わず笑ってしまっていました。
エースさん曰く、「もうこないだ聞いたんでしょ?」「なんでそんなに頷いて聞いてるの?」とちょっと面白くなってしまったらしいんですね。
そのお友達曰く、「だって、また忘れちゃったら嫌だし…」ということで、2回目の話でも真剣に聞いていたんだとか。
実際、私の解説は全く同じものでした。
これは非常に重要なことです。
繰り返すことの重要性については、それこそ繰り返し強調しておりますが、最も効果のある反復方法というのが、
「他人の解説をトレースしながら、一緒に解説を頭の中で再現しながら聞く。」
という方法です。
更に言えば、
「相手が言うことの先を読んで、予測をしながら話を聞きつつ自分でも一緒に再現する。」という勉強法です。
例えば、プレゼンの達人がプレゼンの準備をする際には、相手を変えて何人もの人に自分のプレゼンを聞いてもらい、何度も繰り返してスラスラ言えるようにするだけでなく、自分の説明で分かりにくいところや、突っ込みどころなどのフィードバックをもらい、自信をもって本番に臨むという方法をとります。
これは授業でも同じことで、以前は私も、国立開成や早慶付属校の英語長文の解説をする際には、まず最初に単熟語の意味や類義語・反意語などをすべてピックアップして全文を細かく分析し、どこで何を板書し、発問するべきか、またそれに対して予想される回答にはどのようなものがあり、それに対して私はどのように受け答えるべきか?といったことをシミュレーションした後で、実際に通しで声に出しながら、時間を計って範読・質疑応答の練習を3~4回繰り返すという授業準備をしていました。
(ちなみに、当時なぜここまで入念に準備をしていたのかというと、生徒達の頭の良さがハンパなかったので、こちらが少しでも隙を見せたり、もたついたところを見せると、あっという間に舐められて、たちまち授業が成り立たなくなる、つまり生徒の成績を上げる手段を失うからでした。)
そして、一度聞いたことのある解説や、一度解いたことのある問題の解説をもう一度トレースしながら聞くというのは、非常に効率よく要点をまとめながら反復する機会を得られるということなのです。
一度聞いているわけですから、余裕をもって聞けるわけです。
そうすると、当然、頭にも入ってきやすい。
その時に、「予測しながら聞く」ということをすると、自分が主体的に解説しているのと同じことになるので、なおさら良い訓練になるというわけです。
ちなみに中学時代の山田少年も同じような勉強方法を採っていました。☟
総じて、賢い子というのは、相手が次にいうことを予測しながら先回りして聞いています。
実は、「構造的に捉えることの大切さ」という記事を下書きのまま上げられずにいるのですが、「予測しながら聞く」というのは、全体を俯瞰で構造的に捉え、今現在話している内容はどのあたりに位置するのか?といったことを推論する力とも関係していると言えると思います。
常に全体像を意識しながら一部分を吟味するという行為は、正解までの筋道をイメージしながら一つ一つのプロセスを処理していくという作業と非常に類似性があるので、勉強においてもとても役に立つ能力だと思います。
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