ここのところ新中1の授業で2回連続、生徒が壁にぶち当たっている。
まあ、よくあるレベルの躓きなのだが、前々回は英語の3人称単数絡みの問題演習の時、前回は数学の一次方程式の文章題の演習においての出来事であった。
問題は「躓いていること」にあるのではなく、その「勉強の仕方」なのだ。
根本的な「勉強の仕方」を変えない限り、また別の形で「躓き」が発生するだろう。
「勉強の仕方」というより「思考の癖」や「精神構造」といったほうが正確かもしれない。
まず、英語の方では、
What do you study in the library?
What does he study in the library?
という2つの英文において、そもそも「構造」が全く同じだという意識を持てない状態なのだ…。
なんだか物凄く既視感を感じるのではあるが、英語を勉強する上で「構造」を意識出来ないのは致命傷になりかねない。
というより、致命傷だ。
学校の中間期末や公立高校の通常問題までは何とか乗り切れるかもしれないが、学校選択問題は相当厳しい戦いになるだろう。
なぜこんなことを書いているのかというと、今現在「躓いている」生徒というのは、寧ろ優秀な生徒さんなのだ。
一つ一つの英文を「暗記」することは出来るし、漢検も自力で3級に受かってしまうような生徒さんなのである。
先日は、小学校で習ったという「道案内」の英文(今年の入試に出てきたレベルの英文です)をスラスラと暗誦していて驚いたほどだ。
しかし、「構造」は見えない。
どのように「見えていない」のかと言えば、
What he studies in the library?
といった英文を平気で書いてしまうのだ。
もう一度、
What do you study in the library?
という英文を確認してから、戻ってみてもどうも安定感がない。
言葉の構造的な対応関係が全く見えていない。
今までに習った文構造をベースにしてパーツを入れ替えて文を構築していくという視点を持つように仕向けるのだが、なかなかピンと来ないようだ。
you の代わりに he が主語になっているから、do ではなく does を使う。
動詞は原形!
といった「構造的なルール」がどうも意識出来ないらしい。
(そもそも、What の後の do に対応する言葉が抜けていることに気付けていないことが厄介ではある…)
しかし、英文を丸暗記することは出来る。
うーむ、手強い。
英語学習においては、様々な「パターン」の英文を覚えることは有益であることに疑いの余地はない。
しかし、それは「パターン(法則性)を覚える」ことに意味があるのであって、「文構造」が見えた上で「個々のパーツを入れ替え可能な要素」として認識できていなければ有用性は著しく損なわれる。
こういったことをこれから粘り強く指導していくつもりだ。
数学でも、これまたよくあることではあるのだが、答えとして「あり得ない数字」が出てきても全く「気にならない」のである。
例えば、「1脚に6人ずつ座ったら…」的な問題で、見よう見まねで方程式を立てて椅子の数を30脚と求めることは出来たとしても、その後、生徒の数を求められないのである。
正確に言えば「それらしき数字」は出てくるのだが、その「数字」が肌感覚で「おかしい」と思えないところが大問題なのである。
「検算をすればよい」といった形式的な話ではない。
例えば上記の問題で、椅子が30脚あるときに「生徒数は5人」だという「答え」が出たとすれば、その数字は明らかに「オカシイ」のであるが、そのように感じてくれないのである。
(割り算と掛け算を間違えたとかいうレベルの話ではない。1脚に6人座っているのだ。生徒の数が「5人」ということはオカシイと気付かなければならないだろう…)
しかし、そのまま丸付けをしてしまう…。
こういったザックリとした数字感覚というのは「情報を結び付けて考える力」と不可分の関係にあるので、なかなか一朝一夕には身につかないものだ。
こちらも、地道に指導していくしかないであろう。
…ということを考えていたのだが、考えてみれば、私の最強の武器は「わかりやすさ」ではなく(誤解のなきように書いておきますが、私の説明はメチャメチャ「わかりやすい」です)、「しつこさ」「あきらめの悪さ」という点にあったのだということを思い出した。
「生徒が出来るようになるまでやる」
それを実践してきたからこそ、今がある。
そのために工夫してプリントを作ったり、色々やってみてはいるが、結局は根気強さの勝負となる。
良い意味での「しつこさ」が最も重要であり自分の最大のストロングポイントであることを思い出した1日であった。
どうでもよい話であるが、先日ブログに書いた田中さんが経営しているオンデーズにメガネを買いに行った。
実は今のメガネは3つほどメガネをぶっ壊した(主に踏んづけてしまうことが多い…)末に、家に余っていたものなので、あまりかけ心地が良いという訳ではなかったのだ。
メガネ屋さんとしては至って普通でした。(笑)
まあ、当たり前ですね。
実は上記の「しつこさ」という話もこの田中さんの経営話からリマインドされたものなのでした。
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