先日、小学5年生の「倍数・約数・素数」の単元でこんな問題がありました。
これは、小学6年生のお子さんにも解いてもらったのですが、
「1から30までの間に約数が3個だけの整数はいくつあるか?」
という問題です。
ちょっと、難しいですね。(^_^;
ある数の約数を考えるには、実際に書き出してみるのが一番です。
1から順に約数の個数を考えてみると、
1=1×1 ⇒ 1個
2=1×2 ⇒ 2個
3=1×3 ⇒ 2個
4=1×4,2×2 ⇒ 3個
ここで、ようやく「約数が3個の整数」が出てきました。
更に考えていくと、
5=1×5 ⇒ 2個
6=1×6,2×3 ⇒ 4個
7=1×7 ⇒ 2個
8=1×8,2×4 ⇒ 4個
9=1×9,3×3 ⇒ 3個
2つ目の「約数が3個の整数」が出てきました。
この時、考えて欲しいのが、4と9という数の性質ですね。
この2つの数は、2の2乗、3の2乗といった「平方数」となっているわけです。
(小学生にはかなりハードルが高い話ですが…)
という訳で、
「もしかしてなんかの2乗になっている数字かな?」と、一旦「法則化」して、実験してみるわけです。
すると、3の2乗の次は、4の2乗の16ですから、
16=1×16,2×8,4×4 ⇒ 5個
となり、「アレ?違ったのかな?」となる訳です。
で、次の平方数である25を考えてみると、
25=1×25,5×5 ⇒ 3個
と、3個であることが分かり、
問題にはなっていませんが、次の平方数の36は、
36=1×36,2×18,3×12,4×9,6×6 ⇒ 9個
となっています。
(上記の問題の答えは、3個ですね)
ただ単に「なにかの2乗になっている数」というだけではダメなので、もう一つ何らかの「縛り」を加えて範囲をしぼれないか?と考えてみます。
すると、4と9と25という平方数に「共通」していて、16と36という平方数にはない特性は、
「素数の2乗」になっているかどうか?です。
(勿論、この問題はハードルが相当高く、正直、小学生が誰にも何も教わらずにこんなことを「自力」で考えだしたら、それこそ正真正銘の「天才」と言えるでしょう。)
しかし、大切なのは、「実際に自分で具体的に考えて」みて、そこから「法則性」や「共通項」を見出そうとする「心の習慣」があるかどうか?なのです。
「素数」の定義は、「1とその数自身しか約数を持たない数」と書いてあることが多いですが、それを言い換えれば、「約数が2つだけの数」とも言うことも出来ます。
まあ、これは1が素数でないことの理由としても挙げられるわけですが、
この「言い換える力」つまり物事を違う角度から見る力と、素数を理解する際に「約数の個数」という「タグ付け」が適切に行われているか?が、上記の問題を解く上でのカギとなってくるわけです。
ここでの「言い換える力」は「同じものを違う視点から見る力」と言い換えても良いでしょう。
そして、「同じものを違う視点から見る」という行為は、「違うものを同じ視点から見る」という行為と表裏一体の関係にあるとも言えます。
(この場合は「手法」の「類似性」と「共通項」を見出しているわけです。)
流石に小学生にここまでの思考を求めるのは酷かもしれませんが、(;^_^
難しい問題にあたった時に、単純に答えを出すだけでなく、「その問題を解く上での分岐点は何か?」☟を考える癖は付けておいて損はないと思います。
多分、この問題を中3生に解かせても、解けるかどうか怪しいのではないでしょうか…
今度、うちのエースさんに聞いてみます。
どうなんだろう?
怖い…(笑)
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