名詞を入れる箱の数 & カタマリ(英語)

すっかりブログの記事から縁遠くなってしまった…。


先々週あたりの、中1・中2・小6の英語の授業で、偶然にも同じような話題が出てきていたので記しておく。

英語学習の根幹に関わる話だ。


まず、中1の授業において疑問詞の復習を行っていたときに、よくある間違いとして、

What do you like flower?

という英文を書いている生徒さんがいた。

(ちなみに、この生徒さんはこの間違い方の超常連さんだ。1学期から何度も同じ間違いを犯しており、その度に「なぜこの英文が間違っているのか?」を説明し修正を試みているのだが、中々定着しない (T_T) 。タイトルの「語順」と「箱」を意識出来ない生徒さんだ。私から見るとかなり手強い生徒さんなのだが、中間・期末テストの英語では連続で99点をとっており、点数的には塾内で1番良いということが、事の重大さを本人が認識できない要因の一つになっているのではないかと危惧している。まあ、他にも要因が見え隠れしてはいるが…。ちなみに、この生徒さんです。☟)

前置きが長くなったが、

この英文☟が間違っている理由は2つある。

What do you like flower?


1つ目の理由は、

① flowerという数えられる名詞を無冠詞で使ってしまっていること。

「冠詞」は本当に定着しない…。(-_-;)

中学生で、「数えられる名詞の単数形」に忘れずに「冠詞」をつけることが出来ていたら、寧ろ非常に優秀な生徒さんだと言えるだろう。

中1段階であれば尚更だ。


そもそも

「数えられる名詞を単数形で使う時には必ず冠詞をつけなければならない」

という話がピンと来ないのであろう。

「冠詞」「カタマリ」を作る上でも非常に重要な存在なのだが、「冠詞」に関しては別の記事で書くこととする。一旦、この記事の中に組み込んでみたのだが、話が長くなり過ぎて焦点がぼやけてしまいそうなので…。現在、小6の英語の授業で、「カタマリ」を意識させるべく奮闘中です…)



2つ目の理由は、

② 名詞を入れる箱が満席になり、What を入れる「箱」が存在していないこと。


これが今回のブログのメインテーマなのだが、

英文においては、1文中に置ける名詞の数は決まっている。

前置詞などを使わなければ、最大で3個だ。

(中1段階では2個)


動詞を軸に、左右に1つずつ「名詞」を入れる「箱」がある。

こんなイメージだ。☟

(ちなみに、先日中2の授業で「文型」の単元を扱ったときに、「英語において、1文中における名詞の数は最大で何個か?」と発問したところ、自信をもって答えられた生徒さんが1名いた。普段から繰り返し「箱」の話はしているのだが、こういった「無意識下に浸透させておくべき知識」をしっかりとモノにすることが出来る生徒さんは非常に強い。表面上は同じ様な点数を取っていたとしても、難易度が上がった時に決定的な「差」が生じる。)


上記の

What do you like flower?

という文を肯定文に戻して考えてみると、☟

(ちなみに、この「肯定文に戻して考えてみる」と言うのは非常に重要な考え方だ)

となり、

what が戻るべき「箱」がないことがわかる。

what という単語は、本来、何か尋ねたい「名詞」と入れ替わって文頭に出ている単語だ。

必ず「戻る位置」が「空席」の状態で確保されていなければならない。


したがって、上記の英文では、likeの後に置くべき「名詞」を1つにまとめなければならない。


よって、

what と flower を カタマリにして、

What flower do you like?

と、しなければならないということだ。

これで、like の後ろの「1個の箱」に無事におさまる。

(ちなみに、この問題は「並び替え問題」で、ご丁寧に「何の花」という日本語訳まで書いてあったので、問題としての難易度は高くない。しかし、仮に日本語訳が書いていなかったとしても上述の理由により、決して間違えてはいけない問題だ。件の生徒さんは、リンク先の記事でも書いた通り、問題文や解説を読まない傾向が極めて強い生徒さんなので、こういった事態が生じてしまう…)





一方、中2で「疑問詞+ to ~」の単元を扱ったときにも、同様の間違いをしていた生徒さんが1名いた。

どんな本を読めばいいのか」

どちらのケーキを食べればいいのか」

という英語をそれぞれ、

what to read book

which to eat cake

と書いてしまっていた。

(ちなみに、中1で問題を演習させていた時もそうなのだが、事前に気を付けるべき注意点として説明はしてあった)


上述のように、read と eat の後ろの「箱」が「満席」になってしまっているので、このままでは、what と which が、この英文の中に存在できない

(居場所がない what さんと which さんが不憫でならない…)


勿論、正しくは、

what book to read

which cake to eat

である。





そして、最後に小6の英語の授業での話を書いておく。


このような問題があった。☟

対話文形式で、

A: ____ that a TV ____ a radio?

B: ____ ____ a TV.

の空所に適語を補充するという問題で、日本語訳は書いていない。


この問題に対して、ある非常に優秀な生徒さんが、

What's that a TV or a radio?

と解答していた。


本人に聞いてみると、

「あれは何ですか、テレビですか、それともラジオですか?」

といった具合に、意味が通ってしまい、英文としても違和感を感じなかったらしい。


勿論、この単元のテキストの中に、上記のような what と or を同一の文の中で一緒に使うような英文は他に載っていないので、テキストの「真似」に徹すれば出て来ない発想なのかもしれない。


ただ、何故この英文が間違っているのか?を正しく理解しておくことも重要だろう。


ここで重要なのが1文中に置くことの出来る「箱」の数だ。

be 動詞の文では、1文中の名詞を置ける「箱」の数は最大で2個だ。☟

be 動詞を補って、肯定文に戻して考えてみると、

That is a TV.

となり、what が戻る場所が無い…。


したがって、この英文の中に what を置くことは出来ず、

Is that a TV or a radio?

が正解となるという訳だ。


流石に小学生の段階で、ここまで深い理解に到達することは困難ではあるが、英語の文型の根幹をなす「1文中に名詞を置ける数」という発想は、今後も様々な角度から取り組ませていきたいと考えている。

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