先日、埼玉県公立高校入試の出題範囲が発表された。☟
東京都の出題範囲がかなり前に発表されていたのだが、そこでかなりの3年範囲が削られていたので、恐らく埼玉県もかなり削ってくるだろうということは予想していた。
(まあ、要するに横並び主義の標本みたいな方々ですからね…。「削らない」という選択肢は最初から存在しなかったということでしょう。夏休みをこれだけ短縮しておきながら、一体何を考えているんだ?というのが偽らざる私の本音ではありますが…)
率直に言って削りすぎだとは思うが、当塾の方針としては、
英語と数学に関しては、3年範囲は全て学ぶ
という方針をとる。
理由は2つ。
①私立高校(特に付属系高校)は、今まで通りの出題傾向で問題を作成してくる可能性が高いこと。
②習っていたほうが、問題を解く際に有利に働く可能性があること
①に関してはまだ確定事項ではないが、「今回削減された単元も中学校で習う」とリーフレットに明記されている以上、高校側としては、当然、既習事項として新学期を始めたいというのが本音だろう。
特に私立高校の場合はある程度優秀な生徒を集めたいと考えているはずなので、勉強時間が有り余っていた状態で、何の準備もしていない生徒にはあまり関心がないのではないだろうか。
(まあ、これは上位の高校に限られる話ではあるとは思いますが…)
②に関しては、例えば数学で「三平方の定理」を習っておけば、労せずして辺の長さを求めることが出来る。
また、英語においてはその話は顕著で、恐らく作問の仕方として「国立」的な問題の作り方になることが予想されるわけです。
具体的に言えば、お茶の水高校などの問題を見て頂ければわかるのですが、英語長文の「※注」が膨大な量になっています。
「習っていない事柄や単語」は「※注」として欄外にズラズラと並べて書いておけば、基本的にはどんな問題でも出していい訳です。
その際に、最初から知識として知っていれば「速く」「有利な状態で」読むことが出来ることは言うまでもありません。
「関係代名詞」や「間接疑問文」を使っていない英語の文章など有り得ませんから、イチイチそこで止まっていては、時間のロスが激しすぎます。
寧ろ、今回削減される単元を学習しないで受験を迎える方が、結果に悪影響を及ぼす危険性の方が高いと言えるでしょう。
基本的には上記のような理由から、当塾では数学と英語に関しては例年通りの指導を行います。
(勿論、数学などで三平方の定理等を用いた難易度の高い問題演習に割く時間は減るとは思います)
…とつらつらと書いてきたが、正直言って、
どの教科も公立高校入試にはほとんど影響がないであろう
というのが私の個人的な予想だ。
というのも、ここ数年の埼玉県の数学は、図形の折り紙問題がなくなり、さしたる特徴もない当たり障りのない問題が出題されていた。
(三平方の定理が、辺の長さを求める単なる「道具」としてしか使われていないような問題ですね)
三平方の定理を使って特別角から辺の長さを導いたり、またはその逆のパターンの問題が小問として出されることもあったが、そこの部分は「相似」の問題に置き換えて出題すれば良いだけなので、支障はないであろう。
また、関数の大問も三平方の定理を必要としない問題がほとんどなので、こちらも今までと変わりはない。
「確率」や「平方根」や「資料の分析」(あと「整数」)といった単元で考えさせるような問題を作成すれば、難易度を維持しながらボリュームを失わずに問題作成が出来る。
という訳で、ほとんど影響はないのではないか。
英語に関しては上で述べた通り、そもそも長文中には何でも出し放題なので、最初から影響はない。
(そもそも、埼玉県の問題で「関係代名詞」の高度な問題は出題されたことが無い)
「範囲が減ってラッキー」と考えている生徒がいたとしたら、とんだ勘違いであろう。
(とはいえ、学力があまり高くない高校へ進学する生徒にとっては朗報であることは間違いがないが…)
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