今週、卒塾生の弟さんが新中1生の授業で体験授業を受けてくれている。
非常に有難く感じると共に、信頼に答えなければならないとも感じている。
いきなりbe動詞の文から入ろうかと思ったのだが、アルファベットの大文字と小文字に少し綻びが見られたので、急遽アルファベットに戻って授業を行った。
文法的なルールをどれくらいの速度と深さで理解してくれるかは、今後の様子を見ながら見極めていきたい。
数学では、小学校の復習から入ることにした。
分数が苦手だという話だったのだが、確かに少し躓いていた。
とはいえ、説明しながら解いてもらうと自力で正解まで辿り着けるようになっていた。
この生徒もそうなのだが、間違えた問題に対するアプローチが大変良い。
こちらが何も言わなくても、自分で解き直しをしてくれている。
丸付けもこまめにやってくれている。
この調子なら、進度の遅れを取り戻せるだろう。
また、新中1生では4月から新たに加わってくれた生徒がいるのだが、こちらの生徒も勉強にと入り組む姿勢が大変良い。
とはいえ、英語で気になる躓き方をしていた。
どうやら共通項を見つけて法則性を認識するのが苦手なようだ。
タイトルに書いた「物事を要素に分解する力」がまだまだ備わっていない。
というか、そもそもそういう風に教わってこなかったのかもしれない。
体験時にフォニックスと英語の語順を駆け足でやったのだが、発音と綴りの関係でかなり苦戦していた。
This という単語がどうしても読めなかった。
「ザット」と「読んで」しまう場面が多かった。
(ちなみにこれをネイティブっぽく「ダット」と読んでほしいとかいう類の話ではありません)
th が「ズ」、i が「イ」、s が「ス」と発音するんだよ
という説明を何度もするのだが、this に含まれていない「音」を発音してしまう。
先程、わざわざ「読んで」とカギカッコつきで書いた。
そう、実際にはこの生徒は単語そのものを「読んで」はいないのである。
一つの単語あるいは一つの文を丸ごと一つの「画像」として捉えてしまっているのである。
単語や文の中の音の「区切り」を意識できていない。
「確かさっき読んだT~で始まる単語は『ザット』って読むんだったよな?」
「じゃあ、多分この単語も『ザット』なんじゃね?」
と、状況に応じて一か八かの勝負をしてしまっているのである。
こちらが読み方が違うことを指摘すると、あらぬ方向に読み方が逸れていってしまう場面もあった。
ローマ字でaをどう読むかを尋ねてみたところ、「ア」と読むことは知っていた。
しかし、単語のカタマリになると、その法則性が見えなくなる。
完璧ではなくても良いので、単語を「音節に区切って読む」訓練をしばらくは続けていきたい。
「音節に区切る」ということは「要素に分解する」ことに他ならない。
これが出来ない生徒は、他の分野でも必ず躓きを見せる。
「リピートアフターミー」で、単語や文を呪文のように「読み方を覚えてしまう」方法は非常に危険なのだ。
私がフォニックスをやる理由はここにある。
まあ、他にも色々な仕掛けを用意してますが。
ちなみに、以前、He is Takashi. という文を「彼はケンです」と訳した生徒もいたので、この程度のことでは全く動揺しなくなってしまっている…。(^^;
文字数的にも合わないと思うのだが、画像的な認識が苦手な生徒にとっては難しく感じるようだ。
ちなみに、この生徒は、数学の図形分野でも大苦戦した。
図形が指し示す角度を正しく表現することが中々出来なかった。☟
全く違う場所の角度を読み上げてしまうのであった。
しかし、その生徒でも英数共に80点前後は取れていた。というか、取らせた。
中1の最初から指導していれば、かなりの能力不足もカバーできるという証左ではあるのだが、同時に、定期テストでの「80点」という数字は、受験時に問われる本当の意味での「実力」を適切には表していないことを示しているとも言える。
よく、中間期末の点数と合格している高校が釣り合っていない塾があるが、要するにそういうことだ。
(どういう事…?)
それにしても、そろそろ新中1の進度を調整する必要がありそうだ。
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