昔、大学時代に所属していた法学系サークルで司法試験に関して、こんな言葉を聞きました。(私は受験しませんでしたが…)
「運で受かるだけの実力は付けておけ」
この言葉は、代々語り継がれてきた言葉だったらしく、続けて、
「最終的な局面で合否のボーダーライン上に立つことがあるかもしれない。その時に、運が良ければ合格することが出来る。逆に言えば、ボーダーライン上に立てるだけの実力をつけておかなければ、運を使う機会すら与えられないということだ。だから、キチンと努力して「運が使える」程度の実力だけは最低限付けておけ。」
というようなことを言われた記憶があります。
これは金言であり真理をついていると思います。
その後、出会ったのがタイトルの言葉です。
Chances favor prepared minds.
「チャンスは準備ができている人間を好む」
( mindは「心」とも「人」とも訳すことが出来ます。)
この言葉は、福岡伸一さんの『生物と無生物の間』という本の中に出てくる言葉です。
(因みに、この『生物と無生物の間』という本は、私が人生で読んだ本の中でトップ3に入るくらい面白い本です。そして夏期講習中、北辰の国語の過去問演習をしていたら、偶然、福岡伸一さんの次作である『動的平衡』が問題文として掲載されていました。切り出された文章の一節だけを読んでも非常に面白い内容だったのですが、私が「この著者の本は本当に面白いよ」と言っても、生徒は無反応でした。正直、生徒の反応の仕方から知性が全く感じられず少し残念に感じてしまったのは事実です。)
真理は洋の東西を問わず同時多発的に語り継がれていくものなのか?
あるいは、誰かの言葉が巡り巡って違う場所に根付き語り継がれているのか?
真相は定かではありませんが、私が大学時代に聞いた言葉と同じ意味であると、この言葉を見た瞬間に感じました。
そしてこの言葉は、私が高校受験・大学受験の時から考えていたことを上手く表現してくれている言葉でもあります。
私の座右の銘は、
「なんとかなる」
なのですが、この言葉にはこのような意味が込められています。
「人間、すべてのことを『為せば成る』と考えるのは傲慢に過ぎる。」
「しかし、やるべきことをやっていれば『なんとかはなる。』」
そんなことを考えながら、人生をやり過ごしてきたわけです。
(私はあまり上品な人間ではないので、洒落た言葉は似合わないと感じておりますので、このくらいが丁度いいかな?と。)
そして、タイトルの言葉がすっかり気に入ってしまった私は、自分で作った教材の表紙の裏に必ず載せるようにしています。
(現在、生徒に配っている英熟語集にも載せています)
『精一杯の努力とか一生懸命が茶化されるこの時代』にも連綿と息づく金言ではないでしょうか。
0コメント