タイトルの通りなのですが、学力をつけるための大前提として必要なことは、
自分を客観視できているか?
です。
これには、ミクロ的な側面とマクロ的な側面があります。
ミクロ的に言えば、ある設問を解くときに「自分の現在地を知り、正解にたどり着くプロセスを把握する」ために必要な能力であり、
マクロ的に言えば、「受験本番までの道程を知り、自分が今何をするべきか?を把握する」ために必要な能力と言えます。
また、これはある意味「卵が先か?鶏が先か?」という議論と似ていて、
「学力が上がったから自分を客観視できるようになった」のか?
「自分を客観視できていたから学力が上がった」のか?
どちらともいえない側面があり、恐らくどちらも正しいと言えるのかもしれません。
しかし、「範囲が限定されていない一定以上の難易度のテスト」を受ける前提で勉強する場合、この「自分を客観的に見ることが出来ているか?」という部分は非常に大きな意味を持ちます。
要は、自分の現在位置が分からなければ、ゴールまでの道程を推し量ることが出来ないわけです。
現在地点からゴールまでの距離、方角、横たわる障害物はないのか?など、ゴールに到達するために必要な情報を手に入れることが出来ません。
ヘタをすれば、ゴールがどこにあるのかすらも分かっていない状態かもしれません。
当然対策の立てようがありませんし、ゴールまであとどれくらい進めばいいのかもわかっていない状況ですから、モチベーションも保てませんし、時間内にたどり着けるのかも推測できません。
そして、この「客観的に自分の現在位置を知る」ということは、単にテストの点数や偏差値が足りているとか足りていないという単純な話ではありません。
というのも、その生徒の全ての能力を正確に測ることが出来る統一された唯一のテストなど、この世に存在しないからです。
(ハッキリ言って、考えなくても分かるレベルの話なのですが、断片的な情報を捉えて、全てを自分に都合のいいように解釈しようとする人たちがいるのも事実ですので…)
全ての範囲を網羅した問題など量が多すぎて実施できませんし、どのような力を測りたいのか?によって問題の難易度設定や設問形式も変わります。
よく、「俺、偏差値足りてないんだよね~」などと言っている生徒がいますが、正直「正気で言ってるのか?」と思ってしまいます。
北辰テストの成績と埼玉県公立高校入試との間には、少なからず相関関係はありますが、やはり問題の質は違うと言っても良いのではないでしょうか。
(「少なからず」と書いたのは、ここ数年で両者のギャップが埋まってきたと感じるからです)
つまり、「自分の実力を客観的に知る」ためには、テストの結果を見るだけでなく、日々の勉強においてセルチェックをしっかりやって、「自分が何が出来ていて何が出来ていないのか?」を常に把握しておくことが必要なのです。
「問題が解けたから、この単元は大丈夫」などというセリフは正気の沙汰とは思えません。
そもそも、その問題のレベルはどの程度なのか?
本番のレベルとの差はどの程度か?
自分の現在のレベルからすると、あとどれくらいのステップを踏まなければならないのか?
と言ったことを考えながら、勉強する必要があります。
…と長々と書いてきましたが、単純に「勉強量」が足りていない生徒は、そもそもそういう話をする段階にはないので、とにかく、「まずは、量をこなせ!」「丸付けはこまめにしろ!」「出来なかった問題はその場で解き直せ!」「基本問題は出来るようになるまで繰り返せ!」という基本的なことが何よりも重要なのであります。
最後に、課長とAさんの非常に耳の痛い金言をどうぞ。☟
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