私が大学1年の頃、確か保健体育?の授業だったと思うのですが、エイズウイルスや生物の進化、出産や死亡率など、生命科学に関わる多岐にわたる授業がありました。
その中で、ウイルス進化説が紹介されていました。
(ちなみに、ウイルス進化説は、欧米では生物分子学の観点から、学説の信憑性が認められており、進化論の根幹を成す理論としてすでに組み込まれているようです。日本では未だにトンデモ扱いの様ですが…)☟
掻い摘んで言うと、生物の進化が起こる要因としてウイルスが介在しているものがあり、従来の進化論では説明できない現象も論理的に説明できるというものです。
例えば、豚は自らビタミンCを作ることが出来ますが、人間はビタミンCを作れません。
これは、豚がウイルスに「感染」し、ビタミンCを作ることが出来る「病気」になり、パンデミックに水平方向に伝播した後、自然淘汰を経て、ビタミンCを作れる種が残った、と考えるわけです。
(もしくは、同様にして、人間がビタミンCを作れなくなるようなウイルスに感染した、と考えてもよいです)
その授業のテストで、教授が「持ち込み可だけど、答案には好きなこと書いていいよ。教科書なんかを写しただけじゃ読んでてつまらないから」と言ってくれたものですから、私は喜んで、子供の頃から疑問に感じていたことをノー勉で答案用紙に書いたのでした。
私が子供の頃から疑問に思っていて、当時の答案に書いたのは、
「なぜチンパンジーはチンパンジーのままなのか?」
「なぜ恐竜は約1億9000万年もの間、ずっと『恐竜』のままだったのか?」
「実は、生物の進化の仕方が描く曲線と、文明や科学技術の進歩の仕方が描く曲線には類似性があり、そのメカニズムには共通項があるのではないか?」
ということなんですね。
(これらの話は最近では常識になっているみたいですが、私が子供の頃はあまり言及されていなかったことのように感じます)
よく「手や道具を使うと脳が発達する」と言われますが、それならば、手と道具を器用に使ってアリ塚のアリなどを食べているチンパンジーは、そのうちもっと高度な生き物に進化してもよさそうなのですが、少なくとも有史以来ずっと「チンパンジー」のままです。
(まあ、これは獲得形質は遺伝しないということとも関わってくる話なのですが)
同様にして、恐竜は約2億5000万年前から約6500年前まで栄えたわけですが、その間の約1億9000万年もの間、文明の一つでも築けなかったのかな?と。
人類は、2足歩行をするようになって、前足を自由に使えるようになり、脳の容積も増えたと言われていますが、ティラノサウルスなんかは2足歩行してたんじゃないの?なんで前足も脳の容積も進化しなかったのだろうか?
1億9000万年間といえば、人類だと誕生から滅亡まで控えめに言って20回くらい繰り返せそうな気がするのですが、何故なんだろう?と。
で、その答えとして私が考えていたのが、文明や科学技術の「進歩」と、生物の「進化」のメカニズムの類似性でした。
つまり、文明や科学技術の「進歩」は、別々の時代や場所でなされた様々な理論や技術の発見や発明が、時代や場所を超えて蓄積されていき、それらが有機的に繋がり、ある閾値を超えたところで爆発的に起こると考えられる。
そして、このメカニズムは、生物の進化において、ある生物学的な変化や遺伝的な変化が蓄積されていき、それらが有機的に結びつき閾値に達した時に、爆発的なスピードで「進化」が起こることと類似性が見られるのではないか?
そして、それらのグラフにおける曲線は同様のカーブを描くのではないか?
…と、つらつらと書いた後、
「先生が紹介してくれたウイルス進化説は、これらの疑問に対して論理的に説明できるものであり非常に興味深かったです」
などと、エラソーに書いたのでした。(笑)
(しかし、評価は「優」を貰いました。寛大な教授でよかったです。(笑))
えー、長くなってしまったので、次回の記事で、タイトルに関する結論だけ書きます。(笑)
まあ、要するに成績の上がり方もそんな感じですよ、ということです。
しかし、そこで重要なのは、「情報」がバラバラの具体例としてではなく、「理論」として抽象化された形で蓄積されていなければ、ブレイクスルーは起こらないという点です。
その意味でも、具体的に考えた後に、その法則性や共通項を考え、抽象化するという作業は非常に重要だということです。
ここら辺は、次回書きます。
0コメント