本日は、先日体験授業で取り上げた中2数学の文字と式の利用の問題を扱いたいと思います。
小4年で習う、5432=1000×5+100×4+10×3+1×2
という知識がベースになります。
たとえば、73という数は、10✖7+1✖3 と表せます。
その十の位の数と一の位の数を入れ替えた37という数は、10✖3+1✖7 と表せます。
この3と7という数字の代わりに、mやnなどの文字を使うというだけです。
7がmで、3がnだとすると、それぞれ、
10×m+1×n ➡ 10m+n
10×n+1×m ➡ 10n+m
と表せますね。
数字で出来ることは文字でも出来ます。
文字は数字の単なる代わりです。
そして、式の証明の手順
① 使う文字を宣言する
② 文字を使って、その数を表す。
③ 問題文から表現を引用し、それを数式で表す。
③ 式変形をして、結論と同じ形にする。
④( )でくくった部分が「整数」であることを宣言する。
⑤ 問題文から結論を引用する。
※使う文字の数は、「連続する整数」なら文字は1個、「連続した整数でない」なら文字は複数個になります。
さらに、
「〇倍になることを証明しろ」
➡ 〇でくくる。( )の中が整数であることを宣言する。
例.「11の倍数」➡ 11(4n+1)
「4n+1 は整数なので、・・・結論」
という流れでした。
それでは、教科書問題から見ていきましょう。
教科書の典型例題①
「2桁の自然数と、その十の位の数と一の位の数を入れかえた数の差は9の倍数になる。このことを式を使って説明しなさい。」
(説明例)
m , n を一桁の自然数とすると、【 ☜ 使う文字を宣言する】
2桁の自然数は、10m+n 、十の位の数と一の位の数を入れかえた数字は、10n+m と表せる。【 ☜ 文字を使って数字を表現する】
その差は、【 ☜ 問題文から引用 & 式変形】
(10m+n)-(10n+m)
=10m+n-10n-m
=9m-9n
=9(m-n)
m-nは整数だから、【 ☜ ( )でくくった部分が整数[自然数]であることを宣言】
9(m-n) は9の倍数になる。
したがって、2桁の自然数と、その十の位の数と一の位の数を入れかえた数の差は9の倍数になる。【 ☜ 結論も問題文から引用】
教科書の典型例題②
「3ケタの正の整数Aがあり、Aの一の位の数と百の位の数を入れ替えてできる3ケタの自然数をBとする。このとき、A-Bは 99 の倍数となる。そのわけを、文字を使って説明しなさい。」
(説明例)
Aの百の位の数を a , 十の位の数を b , 一の位の数を c とすると、【 ☜ 使う文字を宣言】
A=100a+10b+c , B=100c+10b+a と表される。【 ☜ 文字を使って数字を表現】
A-B=(100a+10b+c)-(100c+10b+a)
=99a-99c
=99(a-c)
a-c は整数だから、【 ☜ ( )でくくった部分が整数[自然数]であることを宣言】
99(a-c) は 99 の倍数である。
したがって、A-Bは整数になる。【 ☜ 結論も問題文から引用】
ここからが本題です。(え!?)
普通、3桁の自然数ならば、文字を3個使いますね。
100a+10b+c みたいな感じで。
しかし、743 ➡ 437 や、8753 ➡ 7538 のように、1個の数字だけをスライドして違う数字を作るパターンがあります。
この場合、文字を2個使うだけで両方表現できます。
つまり、
7をA , 43をBとすると、
743=700+43=7✖100+43=100A+B
437=430+7=43✖10+7=10B+A
とそれぞれ表現できます。
8753 , 7538 ならば、8=A , 753=B とすると、
1000A+B , 10B+A となりますね。
ポイントは、数字をカタマリで捉えることです。
これは知らないと対応できないので、覚えておいてください。
それでは、北辰の問題を見ていきましょう。
このタイプの問題は、文章が長いので、最初から読み取ることをあきらめてしまう生徒が多いですね。(^_^;
しかし、予めパターンを知っておけば対応は可能です。
解答
H30④にも同じパターンの問題が出ました。
知らなければキツイと思います。
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