前回、北辰テストの数学の問題を見てみましたが、
「勝手に北辰対策」
と銘打って、頼まれてもいないのに(笑)シリーズ化したいと思います。
本日は、平方根の2回目です。前回☟
ちなみに、6月に行われる北辰の範囲には平方根は入っていません。7月の第3回から入ってきます。
解説の前に、
根号(ルート)は、中が平方数(整数の2乗で表される数)のときにはずれます。
具体的にはルートの中が、0,1,4,9,16 ,25 ,36 …といった数のときに根号がはずれます。
0=0²,1=1²,4=2²,9=3²,16=4²,25=5²,36=6² と整数の2乗で表せる数ですね。
まあ、平方根では素因数分解したときに、
ペアになったら外に出る
と教えたりしますね。
それでは、解説していきます。
H20④
それぞれ、ルートの中を見ていくと
ア √9=√3² つまりルートがはずれて、3
イ √3600=√60² つまりルートがはずれて、60
ウ 1.2 を2乗すると 1.44 ですし、12 を2乗すると 144 ですから、
14.4 を整数の2乗で表すことは出来ません。
したがって、ルートがはずれず、これが正解
エ √1.69=√1.3² つまりルートがはずれて、1.3
オ 3√64=3√8² つまりルートがはずれて、3×8=24
答え ウ
H20②
「√n が整数になる」とは、ルートが完全にはずれるときのことです。
つまり、ルートの中が平方数のときですね。
1から 200 までの平方数を考えてみると、
1 ,4 ,9 ,16,25,36,49,… 100 で、1~100 までの間に 10 個あるのが分かります。(1²=1,2²=4,… ,10²=100 ですから、10個ですね)
100以降は、11²=121,12²=144,13²=169,14²=196 で、4個あることが分かります。
したがって、答えは、14個
H28⑥
√84n が整数になるということは、完全にルートがはずれるということです。
ルートの中の 84 を素因数分解すると、2×2×3×7 と表せます。(あえて指数は使っていません)
ルートの中の数字がペアになったら、外に出られるので、
2×2×3×7×n において、nがどんな数字のときに、すべてをペアで表すことが出来るか?を考えれば良いわけです。
2×2 はすでにペアになっていて、3と7が1個ずつ余ってますね。
2×2×3×7×n で、n=3×7 つまり、n=21 のとき、2×2×3×3×7×7 となり、ルートの中をすべてぺアで表すことが出来ます。
したがって、答えは、n= 21
(問題の条件は、「整数になる」ですから、本来は、ルートの中が0になる場合も考えなければいけませんが、その場合、n=0 となり、「nは自然数である」という条件に合わなくなってしまうので、今回は除外して解説しています。途中説明を求められる答案を書く場合にはそこも書かなければいけませんが。以下同文)
典型問題
① √18n が整数になるということは、完全にルートがはずれるということです。
18 を素因数分解すると、2×3×3 と表せます。(あえて指数は使っていません)
ルートの中の数字がペアになったら、外に出られるので、
2×3×3×n において、nがどんな数字のときに、すべてをペアで表すことが出来るか?を考えれば良いわけです。
3×3 はすでにペアになっています。
当然、2のペア相手が欲しいので、nが2であれば、2×2となってペア成立です。
したがって、まずは、n=2
ここからが少し難しいのですが、
2×3×3×n をよく見ると、まず、2のペア相手として2が必要なことは分かりました。
n=2のとき、3×3×2×2 となる訳ですが、
その後ろに、平方数を掛けていってもすべてをペアで表すことが出来ることがわかりますか?
つまり、
3×3×2×2×1² のとき、n=2×1²=2(これは先程の答えです)
3×3×2×2×2² のとき、n=2×2²=8(これが2番目の答え)
3×3×2×2×3² のとき、n=2×3²=18(これが3番目の答え)
となり、ルートの中をすべてぺアで表すことが出来ます。ちなみに、
「ルートの中がすべてペア」とは「ルートの中が平方数になっている」のと同じことです。
実際、n=2 のとき、3×3×2×2×1²=36(6の2乗)
n=8 のとき、3×3×2×2×2²=144(12の2乗)
n=18 のとき、3×3×2×2×3²=324(18の2乗)
となり、ルートの中が平方数になっていますね。
答え n= 2 ,8 ,18
② ①と同じ考え方で解いていきます。
54 を素因数分解すると、2×3×3×3 と表せます。
これを見ると、2と3が1個ずつ余ってますね。
2×3×3×3×n で、n=2×3 つまり、n=6 のとき、2×2×3×3×3×3 となり、ルートの中をすべてぺアで表すことが出来ます。
あとは、①と同様に、後ろに平方数を掛けていきます。
2×3×3×3×2×3×1² のとき、n=2×3×1²=6(これは先程の答え)
2×3×3×3×2×3×2² のとき、n=2×3×2²=24(これが2番目の答え)
2×3×3×3×2×3×3² のとき、n=2×3×3²=54(これが3番目の答え)
答え n= 6 , 24 , 54
H25②
√2×√n は、√2×n と一緒に中に入れることが出来ます。
あとは、典型問題と同じです。
一番小さい自然数nは、2ですね。
2×2×1² のとき、n=2(1番目)
2×2×2² のとき、n=8(2番目)
となります。
答え 8
H21②
216 を素因数分解すると、2×2×2×3×3×3 となります。
2と3が1個ずつ余ってますね。
まず、最小のnは2×3で、6だとわかりました。
問題の条件として、nは2桁の自然数で、その中で最大の自然数でなければならないわけですから、
2×2×2×3×3×3×n において、n=6 に平方数を掛けていったときに、ギリギリ2桁におさまる数を考えれば良いわけです。
2×2×2×3×3×3×2×3×1² のとき、n=2×3×1²=6(最小)
2×2×2×3×3×3×2×3×2² のとき、n=2×3×2²=24(2桁になりました)
2×2×2×3×3×3×2×3×3² のとき、n=2×3×3²=54(まだいけそうです)
2×2×2×3×3×3×2×3×4² のとき、n=2×3×4²=96(これでギリギリですね)
よって、答え 96
どうだったでしょうか?(といっても誰も見ていない可能性もありますが…)
ここら辺の問題は、中間期末でも狙われる部分なのでしっかりマスターしておくと安心かもしれません。
次回も、懲りずに(笑)平方根を扱います。
ちなみに、上記の問題は、私が作っている北辰分野別数学問題集からの抜粋なので、順番などは少し変えてあります。
以上
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