本日から、中間テスト対策が始まった。
中2では、水の電気分解、炭酸水素ナトリウムの熱分解、酸化銀の熱分解を化学反応式を書きながら説明した。
大体、私は中2の段階でイオンの話も軽くしてしまう。
その方が、なぜ水を電気分解したときに、なぜ陰極側に水素が発生し、陽極側に酸素が発生するのか?ということがイメージし易いからだ。
ついでに言えば、イオンの価電子の知識があれば、水の化学式H₂Oが、なぜHが2個と酸素が1個という構成になっているのか?も理解しやすい。
炭酸ナトリウム Na₂CO₃ などは、Naの後の「₂」を忘れてしまう生徒が多いのだが、これは後述する「左辺と右辺で原子の数を揃える!」ということに加えて、イオンの価数を知っていれば、Naが+1で、CO₃が-2だから、電気的にプラスマイナスゼロにするためにはNaは2個必要!だとわかる。
(ちょっとレベルの高い話ですが…。中2段階ではピンと来ないかもしれません)
化学反応式を作る際の手順としてはこんな感じだろうか。
① 何が → 何と何に分解するのか?を把握する。
(前提として、それぞれの化学式はしっかり書けるようにしておく)
② 左辺と右辺の原子の数を数えて、原子の数を係数で調節する。
まず、水の電気分解は、
水 → 水素+酸素
H₂O → H₂ + O₂
☞ 左辺のOが1個で、右辺のOが2個で数があっていない。
☞ 左辺のH₂Oの前に係数の2を書く。
☞ 2H₂O → H₂ + O₂
☞ 今度は左辺のH₂が2個で、右辺のH₂が1個だから、右辺のH₂の前に2を書く。
☞ 2H₂O → 2H₂ + O₂
といった感じだ。
酸化銀の熱分解であれば、
酸化銀 → 銀+酸素
Ag₂O → Ag + O₂
(酸化銀がAg₂Oであることはイオンの「価数」を知っていれば覚えやすいが、現段階では「覚えて」おくのが無難であろう)
☞ 左辺のOが1個で、右辺のOが2個で数があっていない。
☞ 左辺のAg₂Oの前に係数の2を書く。
☞ 2Ag₂O → Ag + O₂
☞ 今度は左辺のAgが4個(Ag₂×2=4Ag )で、右辺のAgが1個だから、右辺のAgの前に4を書く。
☞ 2Ag₂O → 4Ag + O₂
といった感じだ。
炭酸水素ナトリウムの熱分解なら、
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
NaHCO₃ → Na₂CO₃ +H₂O +CO₂
…なのだが、右辺の炭酸ナトリウムをNaCO₃と書いて、「本当はこれ違うんだけど、まずはこんな感じだね」というところから始める。
(恐らく、炭酸ナトリウムがNa₂CO₃だと完璧に覚えている生徒は少数派だろう。
私は、炭酸水素ナトリウムの熱分解の説明をするときにはあえて下のように書き、
後で、「Na の数があっていないよね?どうする?」といった感じで説明する)
実際にはこんな感じだ。☟
そうすると、こんな感じになる。☟
といった感じだ。
炭酸水素ナトリウムの熱分解は、他にもたくさんのポイントが詰まっているので、個人的には好きな問題だ。
① 炭酸水素ナトリウム(反応前) ⇒ 水に溶けにくい
炭酸ナトリウム(反応後) ⇒ 水に溶けやすい
② フェノールフタレイン溶液への反応
炭酸水素ナトリウム(反応前) ⇒ 薄い赤
炭酸ナトリウム(反応後) ⇒ 濃い赤
③ 塩化コバルト紙が薄い赤になる
⇒水が出来た
④ 石灰水が白く濁る
⇒二酸化炭素が発生した
⑤ 試験管の口を下げる理由
⇒発生した水が試験管の過熱部分に逆流して試験管が割れるのを防ぐため
⑥ ガスバーナーをの火を消す前にガラス管を水槽の水から抜く
⇒水槽の水が試験管内に逆流するのを防ぐため
(これは気圧の問題なのだが、これはアンモニアの噴水実験と原理は同じなので、復習がてらその話もする)
⑦ 重曹やベーキングパウダーの中にも炭酸水素ナトリウムが含まれている
⇒発生した気体が生地を膨らませる
(ちなみに、私はお菓子を作ったことがないのでよくわからないのだが、こういった違いはお菓子作りをしている人にとっては当たり前のことなのだろうか?)☟
…というわけで、ベーキングパウダーを使った方が風味が損なわれないそうです。
勉強になりました。
0コメント