今、私立受験組の生徒に英語の教材として
『実力判定テスト10』(東京学参)シリーズを解かせているのだが、なかなか良い。
『実力判定テスト10 英語 偏差値60』
『実力判定テスト10 英語 偏差値65』
『実力判定テスト10 英語 偏差値70』
というラインナップになっている。
このシリーズは昔からあったのだが、改訂前は正直微妙であった。
英語のみに関して言えば、2020年の5月に改定された本シリーズは、私立的な問題、特に付属系私立高校的な長文を読む訓練としては良く纏まった教材だと言えるのではないだろうか。
解説は少々雑だが、選ばれている英語長文が新しく他の文法問題のレベル感も丁度いい。
何よりも量が豊富な点が良いのではなかろうか。
まあ、過去問演習に勝るものはないが…。
昔、ほぼ国立開成のみを目指す塾に勤めていた時に、同僚の講師が同じ内容の英語長文を集めた問題集を自分で作成していた。
どういうことかと言うと、大学入試でもよくあることだが、同じ英語長文が違う学校で出題されることがよくある。
問題文は同じなのだが設問は異なっているので、それを集めて1冊の問題集にしてしまっていたということだ。
英文は若干の違いはあれどほとんど同じではあるが、異なる切り口でつくられた設問を解くことによって、何度もその英語長文を味わうことが出来る仕組みとなっていた。
当たり前のことだが、英語という科目は(というか英語に限らないが…)既知の英文を精密に分析した上でその「分析」が無意識化するレベルになるまで反復することによって爆発的に伸ばすことが出来る。
ただ、中学生レベルの英文だと、文構造もそれほど複雑ではなく難しい表現が使われているわけではないので、異なる英語長文を「多読」するという方針に帰結する。
(これは公立高校入試においては顕著であろう)
流石に全く同じ英文で全く同じ設問だと、答えそのものを覚えてしまって思考停止状態で問題を解く人間が続出する可能性があるので、一工夫してみたというところだ。
なかなか素晴らしい取り組みだったと思う。
ちなみに、このシリーズの他の科目は正直微妙である。
数学であれば、やはり『塾技100』でパターンを固めてから、
『最高水準問題集』(文英堂)
『上級問題集』(旺文社)
『早慶への数学』(SAPIX)
『高校への数学』(東京出版)
などで足りない部分を補い、過去問の演習をするのが良いとは思う。
まあ、あと数学では「数学を数楽に」の youtube 動画は、勿論大変お薦めだ。
どちらにしても数学は大変時間がかかる。
数学を制する者が付属系私立高校入試を制すると言っても過言ではないので、本気でそういった高校を受験する気があるのであれば、早めの対策が必要不可欠であろう。
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